龍奇譚-彼女の秘密-
ふと気付くと体育館に残っているのは、
俺とキャプテンの2人だけだった。
「………水嶋……」
「なんですか?」
「何か、悩み事でもあるのか…?」
「………えっ?」
キャプテンの突然の問いに驚いた。
何を根拠にこんな事を問い掛けてきたんだ………?
「何かって何です?」
「そんなのは俺には分からん。ただ……」
「………ただ?」
「おまえの様子がいつもと少し違う事に気付いただけだ」
そう言ったキャプテンは下を向いてカバンの中身を整理している。
キャプテンの言葉に少なからず、嬉しく思った。