龍奇譚-彼女の秘密-
龍宮家
―――――――――――――――
――――――――――――
――――――………
「……あの、一体どこに向かっているんですか…?」
俺はしばらくの間、
目的地も伝えられずにひたすら男性の後を付いて歩いていた。
今、歩いているのは閑静な住宅街。
周りの音は夕御飯を食べ終えたであろう子どもたちが、
家の中で騒いでいる声が微かに聞こえてくるだけだった。
ただ、男性に質問しただけなのだがなぜだか敬語になってしまった。
さっきまでのため口が嘘だったかのように………