龍奇譚-彼女の秘密-
(……………)
龍宮の家がこんなにも広くて立派だったなんて、
龍宮はどこかの令嬢だったのか………?
俺は前に広がる光景に目を瞬かせた。
男性は呆然と立っている俺に目をやる事もなく、
その日本家屋の扉を開けた。
「中で皆様がお待ちです」
「…………」
(……………皆様…………)
一体、誰が俺を待ち受けているのだというのだろうか………
緊張で震える足を叱咤して、その家の中へと入った…