龍奇譚-彼女の秘密-










――――パンパンッ





そんな俺の緊張を見抜いたのか、部屋に手を叩く音が響いた。



その音にビクッと肩が小さく揺れる。





「さぁ、まずは自己紹介しましょう」



そう言って、手を叩いたのはお茶を出してくれた女の人だった。





「ほら、あなたから」

「あ、ああ」



突然、話を振られた俺の視線の先に座る男性は戸惑いながらも、


――――ゴホン


と一度咳払いして自己紹介を始める。





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