龍奇譚-彼女の秘密-
「………これ、朝の詫び……」
「………はっ?」
「いや………だから、朝ぶつかっただろ。それの詫び」
「……何だ、そのこと………」
「俺、結構な勢いでぶつかったからさ……
ケガとかしてない?」
「…………平気……」
「そう……なら、よかった。
それじゃ、伝えたかったのはそれだけだから。
ホントに悪かった……」
俺は一方的にそれだけ伝えると、
いちごミルクを彼女の机の上に置いて、
自分の席へと戻って行った。