龍奇譚-彼女の秘密-
那智は何故か私を後ろから抱き締めている。
――――イラッ
「………何?」
「んー。抱き付いてる」
「……………」
――――ガンッ!!
私はそのままの体勢で、
那智の顔面へと裏拳を食らわした。
「痛っ!!何するの!!司ちゃん!!!ひどいっ!!!!!」
「五月蝿い!!!抱き付いてんじゃないわよ」
私はしゃがんで悶える那智を置いて、
何事もなかったかの様に体育館から出ようとする。