龍奇譚-彼女の秘密-
「………教えるって誰が?それに、何を?」
龍宮が震える声で尋ねる。
それに答えたのは今まで黙っていた努さんだった。
「まぁ、必然的に司。お前になるだろうな。
要は札や術に関して余り上手くない。
結人なんて、もっての他だ。
リョクが言うには、水嶋君には力を使う素質があるそうではないか。
司、それはお前も思った事だったのだろう?」
「……それは……まぁ………」
努さんの有無を言わせぬ物言いに龍宮もたじたじとなっていた。
俺は当然、何も言えない。