ダメ男を好きになるダメな私。
その日私と仁君は別れ際に


連絡先を交換した。


「じゃあ、お疲れさまです。」


「おぅ!またな!」


私は仁と別れ、家へと足を進める。




〜♪♪


仁君と別れてすぐ携帯が鳴った。

携帯を開くとディスプレイには


《メール1件:仁君》


と表示されていた。


《日曜日、13時にバイト先集合! 後、敬語使うな(笑)》


バイト先?


シフトには日曜日に私の出勤マークは


なかったはずなんだけど…


《私、日曜日バイトでしたっけ?》


すぐにmailの返事を送った。




〜♪♪


今度は電話が鳴った。


仁君からだ。


「もしもし?」


『敬語使うなゆうたやろボケ!』

ボケ…って言われましても…


「だって…一応先輩だし…」


『一応ってなんやねん(笑)まぁ次敬語使ったら罰金や!』


「えぇっ?」


『わかったか?』 


「は…じゃなくて…うん。」


敬語使ったら罰金って…


どんな詐欺師だよ(笑)


『てか、日曜日デートな!』


「デート?」


『おぅ!暇人を楽しませたるゆうたやろ!』


暇人暇人て…本当失礼なんだから。


「暇人じゃないから行かな〜い」

なんてイタズラっぽく言ってやった。


『わかったわかった!暇人じゃないから行こ!』


いつもいじわるな仁君が珍しく焦ってる。


そんな仁君を可愛いと思ってしまう


仁君と話してるときだけは


零汰のこと忘れることができた。

『お〜い!聞いてるか?とりあえず、日曜日な!』


「考えときますね♪」


なんて意地悪に返すと、


『決定な♪13時にバイト先居れよ!』


と勝手に話を進める仁君。


「わかりました(笑)」


『おっしゃ♪んなな!気ぃ付けて帰れよ!』


と言って一方的に電話が切れた。

もうちょっと話したかったな


なんて思う自分にブレーキをかけた。


好きになったらまた裏切れる。


そう思ったから。


私は零汰と別れてから


好きになるのが怖くなっていた。
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