~リアル昔話し'08~
【もも太郎】
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むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
いつも通り、おじいさんは山へしば刈りに。おばあさんは川へ洗濯に。
おじいさんが山へ着くと、一人の女が瀕死の状態で倒れていました。
聞くと、ある組織に狙われているらしく、命からがら逃げのびて来たらしい。
『急いで助けを呼ばねば!?』
と、一瞬思いましたが、よくよく考えてみるとコレはヤバいなぁ…と感じました。
「この歳で面倒な事件に巻き込まれるのはご免だ…」
そう判断し、持っていた鎌でトドメ刺すと遺体を谷底へ投げ込みました。
「ふぅ~‥‥さっ、つづき、つづきと…」
おじいさんは何事も無かったかの様にしば刈りを再開しました。
ちょうどその頃、おばあさんが洗濯をしている川へ、どんぶらこ~、どんぶらこ~と、一体の妊婦の水死体が流れて来ました。
おばあさんが腹を開けてみると、奇跡的に無傷で元気な赤ん坊が出てきました。
「まぁ、可愛い男の子だことぉ」
なんと因果な巡り合わせだろうか。
子供に恵まれなかった老夫婦は、この子になぜか『もも太郎』と名付け、暇つぶしに育てる事にしてしまいました。