~リアル昔話し'08~
-2- ~天敵~
「カメぇ―――っ、ようやく見つけたぜぇ!!
俺の顔に見覚えあんだろぉー」
お粗末な結末を遂げたかくれんぼから早数年。
再びカメの下にちょっかいをかけるウサギが現れた。
「俺と勝負しろやぁコラ"ァ、嫌とは言わせねぇぞ――っ」
「いいですよ。何で白黒着けましょうか?」
父の無念を晴らすために挑んだウサギ(Jr)との再戦を、カメはムカツクくらいあっさり承諾した。
勝敗の判定は、約三キロ先の山頂にある一本松に先に触れた方が勝ちという、至ってオーソドックスなものになった。
自分の土俵なら負ける要素など、米粒ほども見当たらないウサギ(Jr)は、スタートと同時に猛ダッシュでゴール目指し駆けて行った。
一方カメは、相変わらずマイペースに出発した。