~リアル昔話し'08~
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途中、きび団子の匂いにつられた犬が話しかけてきました。
「もも太郎さん、お腰に付けたきび団子、一つ私に下さいな?」
「あぁ、上げましょう。その代わり僕と一緒に鬼をぶっ飛ばしにいってくれないか?」
「いいですともー」
『どこか旨いんだか、こんなブタのえさ…』
人間にはとても食えたモノではなかったきび団子でしたが、その効果は絶大でした。
材料費を削って削って作られた、超極薄味の団子は、動物にはウケたようで。
サル、キジと後から後から寄って来ました。
勢いに乗って、次々にスカウトを試みようとするもも太郎でしたが、申し訳なさそうに犬が言いました。
「あの…すいません、もう無いっスよ、団子」
えっ、もう!?
これでは誘うエサがありません。
だめ元で、一応付いて来てもらえないか、と聞いてみましたが、やっぱりだめでした。
「ちっ、無ぇーのかよ‥‥じゃあやる訳ねぇーだろうが、寝ぼけんな!?」
「で、ですよね……」
トラ、ライオン、ゾウ、ゴリラは不機嫌そうに帰って行きました。
「はぁ、即戦力が…」
ガックリきたもも太郎でしたが、落ち込んでもいられず、先を急ぐことに。
あんなに騒がしかった三匹も、鬼が島に近づくにれて、みるみる内にテンションが下がっていきました。