+.*ベッドの上の王子様*.+【完】
エミが、後ろからあたしを呼ぶ。
振り向くと、少し寂しげに笑うエミがいた。
「エミ・・・。」
「あたし、まだ信用されてないみたいだし。何も、聞かないけど。」
最後は少し嗚咽交じりで。
「あたし、いつでも聞くから!クロネコに名前呼ばれた時はすぐに駆けつけるから!」
あまりにもストレートな物言い。
知らない感情が胸に溢れてくる。
それは、今まで友達のいなかったあたしに初めてのもどかしさと嬉しさ。
あたしは、少し口をとがらせながら。
「ありがと。」
呟いた。エミに聞こえてたかはわからないけれど。