+.*ベッドの上の王子様*.+【完】
先輩のボタンはきれいに全部止められていて、胸の花もきっちり残ってた。
「いらないの?」
「・・・・・欲しいです。形見として。」
「俺死んだみたいじゃん。」
ハハッと笑う先輩は上着を脱いで、そのままあたしに着せてくれた。
「俺のものは、全部シホちゃんだけのものだから。」
「・・・・・っ。」
肩にかけられた先輩の上着をギュッと握って、唇をかみしめる。
先輩の腕が伸びるのが見えた。
だから、あたしはその手を止めた。