+.*ベッドの上の王子様*.+【完】
「え・・・?」
「抱きしめ・・・ないでください。あたしは、大丈夫ですから。」
抱きしめられると、泣いちゃうから。
行かないでって、言っちゃうから。
「じゃあさ・・・・。」
「え・・・。」
一度は払いのけたのに、気づけば先輩の腕の中。
「俺が寒いから、抱きしめさせて?」
「・・・・・やっぱり、先輩はずるいです・・・・。」
冬の卒業式、先輩は笑顔であたしの前から去って行った。
あたしは、ちゃんと笑顔で送り出した。