+.*ベッドの上の王子様*.+【完】

右頬を膨らませながら、レイとは反対の方を向いた。


その瞬間、あたしの視界は180度変わる。


「きゃっ!?」


いきなりあたしに前から重力がかかり、背中が何かとぶつかる。


『にゃー』


猫ちゃんがあたしの腕からするりと抜け、近くに座った。


あたしは、ソファに押し倒され波打つソファに身を任せていた。


2人がけのソファはあたしが、横になるには少々小さくて膝から下は入らずにはみ出た足を挟むように、レイがあたしの上に跨った。


緩んだタイ、捲られた袖。


すべてが、甘美に映し出される。


早まる鼓動と、少しずつ縮まるあたしとレイの距離。


片手であたしの両腕を頭の上で掴まれて動きが取れず、あたしは‥‥‥流されるまま‥‥‥‥。


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