+.*ベッドの上の王子様*.+【完】
何度も叩いてやっとお互いの口が離れたとき、あたしの唇は真っ赤になっていた。
痛いし‥‥熱いし‥‥。
ヒリヒリする唇を指でなぞりながら、潤む視界にレイを捉えた。
「はぁっ‥‥はぁ、はぁ」
何かを言うわけでもなく、ただ見つめた。
というか、言えるような状態じゃなかった。
酸素を取り込むだけで精一杯のあたしとは違い、ほとんど息の乱れていないレイ。
「なんで‥‥あんなことするのよぉ‥‥」
疲れた舌じゃ呂律が回らなくてうまく言葉にできない。
そんなあたしの肩にレイは頭を乗せた。
ふわふわの髪がくすぐったい。
「‥‥っとした‥‥‥」