+.*ベッドの上の王子様*.+【完】
彼女も、あの電灯のようにいつもあたしを暖かく照らしてくれてた。
「だからね、この子にもそんな風になってほしいの」
少しだけ体を離して、猫ちゃんに手招きした。
軽やかな足取りで、近くまで来てあたしたちの間にするりと入ってくる。
そして、尻尾でレイの顎を器用に滑らせた。
あたしは、猫ちゃんに頭を撫でながら。
「猫ちゃん、今日から君は『クロネコ』だよ。あたしみたいにいい友達を持って、いい恋するんだよ」
オデコを引っ付け合いながら呟いた。
「できるよ。きっと‥‥」
そっと囁かれた愛しい人の声。
あたしの両頬を包みながら、優しくキスをした。
「だって、シホは今幸せだろ?」