+.*ベッドの上の王子様*.+【完】
にこやかにほほ笑む彼女から、嘘は見えない。
何度も裏切られたあたしは、人の顔色を見て嘘を見抜けるようになってしまった。
でも、先輩の嘘には気づきたくなかった。
「クロネコー?」
エミがあたしの机に腰を下ろす。
―――ヒソヒソヒソ
なんだか、周りから向けられる冷たい視線と、聞こえるひそひそ話。
その視線の先にはあたしとエミ。
「くっだらないよね。」
ギョッとした。