もしも君が助けてくれたら
「で?どうなの?」
ニヤニヤ笑いを浮かべながら今日もまた奈々ちゃんが聞いてきた。
転入生はまだきていない。
「どうなのって・・・、別に。何もなかったよ?」
「何も!?」
「うん。何も。それに転入生は無口だから全然話してないよ」
昨日校舎を回ったことを言ったらややこしくなりそうだったから内緒にしておくことにした。
「っていうか、ほんとうに由良かっこいいと思わないの?」
「うちはカッコイイと思うなぁ。超イケメンじゃん!」
「神様の供物ってやつだろ?」
「ハハッ。俺らモテ期終わっちまったなぁ」
「何それー!前からモテ期なんてなかったってぇ」
「ちょ、おまっ、それヒドクねぇ?」
わらわらと教室に人が集まってくる。
いつの間にか私の周りは友達だらけになっていた。
かと言って、私はうるさいのが嫌い、というわけではない。
騒がしいのはいいことだと思う。
けど、話題にあまり興味がないものはとことんなくて。
だから、こういう時は毎回どこかを眺めているか、何か妄想する。
妄想っていっても、変なことじゃないからね。
ただ、猫とどうすれば仲良くなるかとか、そんなこと。
ふっと外をみると、背の高いサラサラの黒髪の男子生徒がちょうど正門から入ってきた。
その背後にはたくさんの女子が集まってきている。
皆もそれに気がついたのか、呆気にとられていた。
「あいつ、スーパーモデルかなんかかよ」
「モッテモテだねぇ・・・」
「たったの一日でここまでとはね・・・」
「あ!昨日隣のクラスの女子に羨ましいって言われた!ちょっと鼻高々だったよ!」
「うちもー!!」
「あ、それ、俺も!」
「っつってもまだ俺ら話したことないけどな」
ヘヘッと笑った男子をみて思わず本音を出していた。
「話してみれば面白い人だよ。・・・たぶんね」
無意識だったから自分でも何を言ったのかすぐに忘れてしまっていた。
けど、その一言が皆を変えたのか、転入生がクラスに入ってきた瞬間、皆が転入生にたかよった。
そして口々に・・・。
「彼女とか作ったことある!?」
「家どこ!?」
「趣味は!?」
「前どこに住んでたんだ!?」
「ペットとかいるか!?」
等々等々。
それはもう転入生もあっけらかんとしてどの質問から答えていいのか困っていた。
しかも驚いたことに、このクラスでない人も混じっている。
ほんとスーパーモデルみたい。
私は雲行きの怪しい空を見上げた。
ニヤニヤ笑いを浮かべながら今日もまた奈々ちゃんが聞いてきた。
転入生はまだきていない。
「どうなのって・・・、別に。何もなかったよ?」
「何も!?」
「うん。何も。それに転入生は無口だから全然話してないよ」
昨日校舎を回ったことを言ったらややこしくなりそうだったから内緒にしておくことにした。
「っていうか、ほんとうに由良かっこいいと思わないの?」
「うちはカッコイイと思うなぁ。超イケメンじゃん!」
「神様の供物ってやつだろ?」
「ハハッ。俺らモテ期終わっちまったなぁ」
「何それー!前からモテ期なんてなかったってぇ」
「ちょ、おまっ、それヒドクねぇ?」
わらわらと教室に人が集まってくる。
いつの間にか私の周りは友達だらけになっていた。
かと言って、私はうるさいのが嫌い、というわけではない。
騒がしいのはいいことだと思う。
けど、話題にあまり興味がないものはとことんなくて。
だから、こういう時は毎回どこかを眺めているか、何か妄想する。
妄想っていっても、変なことじゃないからね。
ただ、猫とどうすれば仲良くなるかとか、そんなこと。
ふっと外をみると、背の高いサラサラの黒髪の男子生徒がちょうど正門から入ってきた。
その背後にはたくさんの女子が集まってきている。
皆もそれに気がついたのか、呆気にとられていた。
「あいつ、スーパーモデルかなんかかよ」
「モッテモテだねぇ・・・」
「たったの一日でここまでとはね・・・」
「あ!昨日隣のクラスの女子に羨ましいって言われた!ちょっと鼻高々だったよ!」
「うちもー!!」
「あ、それ、俺も!」
「っつってもまだ俺ら話したことないけどな」
ヘヘッと笑った男子をみて思わず本音を出していた。
「話してみれば面白い人だよ。・・・たぶんね」
無意識だったから自分でも何を言ったのかすぐに忘れてしまっていた。
けど、その一言が皆を変えたのか、転入生がクラスに入ってきた瞬間、皆が転入生にたかよった。
そして口々に・・・。
「彼女とか作ったことある!?」
「家どこ!?」
「趣味は!?」
「前どこに住んでたんだ!?」
「ペットとかいるか!?」
等々等々。
それはもう転入生もあっけらかんとしてどの質問から答えていいのか困っていた。
しかも驚いたことに、このクラスでない人も混じっている。
ほんとスーパーモデルみたい。
私は雲行きの怪しい空を見上げた。