もしも君が助けてくれたら
「あー・・・っと、柊由良。よろしくおねがいします」

すると、転入生も口を開けた。

「曉輝。よろしくお願いします」

その会話を聞いていた皆が爆笑した。

「柊、どうしたぁー!」

「らしくないぞー!」

「もっと天然さをふるまえー!」

「緊張してるんだって!」

「柊でも緊張すんのか?」

何それ、なんかしつれいな・・・。

皆の言葉に少し呆れていると、秀が遠いところから私に言った。

「落ちつけって。見守ってやろうぜ」

それもなんだか、とは思ったものの、無言というのもあれだからきちんと転入生の顔をみて言った。

「一応学級委員です。えっとー・・・、昨日転入生の話してました。まぁ、皆の予想通り、イケメンでよかったです。・・・・・・こんな感じ?」

すると、皆と一緒に先生までも笑った。

「昨日の放課後の円はそれだったのか」

「つか柊!そんなこと言わなくていいだろ!」

「ってか由良イケメンだって思ったの!?」

一人の女子の言葉に皆が静かになった。

ってか、先生もこの状況を楽しんでいるように見える。

転入生はジッと私を見てくる。

何かの罰ゲームみたいだ・・・。

小さく吐息をした私は転入生をみた。

「まぁ、確かにカッコイイとは思ったけど、うん。皆がすごく期待してガッカリしなかったことに安心した」

その瞬間、教室中が騒がしくなり、転入生は少しあっけらかんとしていた。
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