もしも君が助けてくれたら
そして、放課後・・・。
「・・・というわけだ。柊、お前、転入生に校舎を案内してやれ」
・・・どういわけだ!!
ニコニコしている先生を横目に睨みながら私は短くため息をついた。
何でも、先生の娘さんが風邪を引いて早く帰らないといけないから先生は校舎を案内してやれないとかで、結局渡しが案内することになった。
今日は部活もあるので、皆部活に行ったり帰ったり。
私も部活はあったけど、先生の頼みごとだから仕方ない。
体操服のままだけど案内しようか・・・。
転入生をみると、転入生も私をみた。
「・・・とりあえず、案内します・・・」
転入生は肩を竦めただけだった。
1学年の教室、2学年の教室、3学年の教室、保健室、体育館、校長室、職員室、運動場、理科室、美術室、生徒会室などなど。
いろいろなところの教室周りと説明を終えた私はもう一度教室に戻った。
「と、いうわけですが、分かりましたか?」
転入生は無言でうなずいた。
「えぇーっと、折角だから部活動もみてみます?」
このまま、というのもアレだから誘ってみると、転入生は首を横に振った。
「いや、いい。部活動は明日先生が紹介してくれる」
「そうなんだぁ」
・・・・。
沈黙。
あぁ、だめだ。
こいうの無理。
秀か奈々ちゃんがいてくれればいいんだけど。
と思いつつふっと外をみると、思い出したことがあった。
「ちょ、ちょっとごめん。私、用事があったんだった。じゃぁね。転入生」
窓の外からみえた”アレ ”をどうにかしないといけないんだった。