嘘つき彼氏
大人しくついていった先は――――体育倉庫。
う、……やばい。
絶対なにかされる……
ホイホイと付いてきてしまった自分に激しく後悔する。
『志紀と付き合ってるの?』
またまたこの話か。
このことのせいでこんな目にあったし…。
『付き合ってない……です』
私のこの一言を待ってましたとばかりに、彼女たちは怒りを爆発させる。
『嘘つくんじゃねぇよ!!』
『1年のくせに生意気なんだよ!』
『うちらの志紀に手出してただで済むと思ってんの?!』
う…そんな事言われても…。
っていうか“倖田志紀”ってそんなにモテるの?!
ほんと、会ってみたいよ。
直接本人に言えばいいのに…、なんて言えずに私はおずおずと
『う、嘘なんかついてません…』
としか言えない。