ともだちのつくりかた。
「……さぁ」


突然の問い掛けに、僕はやや考えるフリをした後で答える。

僕の返事を聞いて、少女は少しだけ笑みを浮かべた。

何が嬉しいのだろうか。

僕は首を傾げながらも、少女に話の続きを促す。


「大昔、そういう呪術があったんです」


「へぇ」


「犬を首だけ残して地面に埋めて、ご飯を目の前に置くけど食べさせないんだそうです」


正に今の僕の状況だ。


「それで、餓死する瞬間に犬の首を刎ねて、犬が食べ物に食らいつけば成功。幸せになれます」


……恐らく、最後の言葉は彼女なりの解釈だろう。
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