ともだちのつくりかた。
「ご馳走様」


「……何を」


「どうせ死ぬなら、道連れにしてやろうと思って……ああ、残念でした」


人間、こんな状況になってもまだ笑えるらしい。

僕はくっくと笑いながら言ってみせる。


「髪の毛をくわえたくらいで助かるつもりだったんですか」


まだひりひりと痛むのか、頭部を押さえながら少女が言う。


「違うよ、そうじゃない。『上手くいかなくて残念だったね』って」


僕の言葉の意味を、少女は理解しきれていないようだった。


「『儀式の間は何も与えてはいけない』。さっき自分で言ってたじゃない」
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