ともだちのつくりかた。
「そんな……」


殺人犯、という言葉が生々しく聞こえたのか、少女が動揺する。

いい気味だ、と思う。


「また誰かを連れてきて埋める? まぁ、次もどうせ失敗するけどね」


あはははと笑ってみせると、少女の口から歯軋りの音がする。


「……絶対そんなことないんだから。私は、友達を、作るんだから」


言い捨てるなり、少女は森の奥へと走って行ってしまった。

一人取り残された僕は、笑うのを止めた。
< 29 / 63 >

この作品をシェア

pagetop