ともだちのつくりかた。
「それがどうかしたんですか?」


「まぁ、つまり、そういうこと、でいいんじゃないかって」


「私に情が移ったって、そういうことですか」


頭が本格的にぼうっとし始める。

しかし少女はそんな僕にお構いなしに言葉をかけてくる。


「でもそれって錯覚なんじゃないですか。本当の友達とは違うんじゃないですか」


「世の中のこと、なんて、大概、錯覚だよ」


錯覚。


そうだと思う。

何もかも、思い込みでできているんだ。
< 49 / 63 >

この作品をシェア

pagetop