初恋 ~ ハツコイ ~
入院生活が当たり前の私と違ってりょうくんはただの検査入院
もうすぐ退院するんだろうなとは心構えはしていたけれど、いざまの当たりにしてみると思考停止した
「………桜?」
フリーズした私の頭にりょうくんの声が響いてやっと落ち着いた
「……あ、ごめん、ごめんっ…そっか…退院かー…おめでとう!よかったじゃんっ」
「…おう、」
「これで野球ちゃんとできるねっ!頑張って」
「…ありがとう」
「…じゃあ、私…病室戻るね」
これ以上、りょうくんの顔を見ていたら弱音が出てきそうで怖かった
ベンチから立ち上がり歩きはじめたその時だった…
「…………んっ…あっ…」
私が1番避けていた事態が起こってしまった…
発作だった