意地っぱりなお姫様
頑張りやな姫
「げっ!?どうしたのその顔!?」
教室に入ると舞が私の顔を見て大きな目をしている。
「そんなにやばいー」
「うん、顔洗っておいでって!」
舞に引きずられながらトイレへと向かう。
「で?どうしたの?その顔」
顔を洗った私にタオルを渡しながら言う。
「佐藤君の好きな人でも聞いたの?」
「なんでわかんの!?」
「…え!ほんとに聞いたの!?」
舞は一瞬、驚いたような顔をしたけど笑顔にかわる。
「よかったじゃなーい!!」
「え!?全然よくないわよ!?」
舞は『え?』と呟いて、行動が停止する。
「なんでよ?」
「なんでって、ヒデの好きな人野球部のマネージャーだったんだよ!?」
うわっ……今日、一番驚いてる表情。
舞は口をポカーンとあけている。
「…マジで?」
「………うん」
舞はなんともいえない表情をしている。
おいおいおいおい舞さん。
こんなときぐらい励ましてくれよー。
そんな悲惨なものを見るような目をしてないでくれ…。