意地っぱりなお姫様

頑張りやな姫



「げっ!?どうしたのその顔!?」



教室に入ると舞が私の顔を見て大きな目をしている。



「そんなにやばいー」

「うん、顔洗っておいでって!」



舞に引きずられながらトイレへと向かう。



「で?どうしたの?その顔」



顔を洗った私にタオルを渡しながら言う。



「佐藤君の好きな人でも聞いたの?」

「なんでわかんの!?」

「…え!ほんとに聞いたの!?」



舞は一瞬、驚いたような顔をしたけど笑顔にかわる。



「よかったじゃなーい!!」

「え!?全然よくないわよ!?」



舞は『え?』と呟いて、行動が停止する。



「なんでよ?」

「なんでって、ヒデの好きな人野球部のマネージャーだったんだよ!?」



うわっ……今日、一番驚いてる表情。

舞は口をポカーンとあけている。



「…マジで?」

「………うん」



舞はなんともいえない表情をしている。



おいおいおいおい舞さん。
こんなときぐらい励ましてくれよー。
そんな悲惨なものを見るような目をしてないでくれ…。


< 10 / 22 >

この作品をシェア

pagetop