意地っぱりなお姫様
「ただいまー」
家に帰った私は玄関に鞄を置いたままリビングへと向かう。
はぁ……。
今日からテスト週間だよ…。
数学とかチンプンカンプンだよー…。
「あ、お帰り。遅かったね」
ん?
この声は……。
「ヒデ!なんでいんのよ!?」
「え?居ちゃいけない?」
リビングのテーブルに座って、教科書を広げているヒデ。
なんでヒデがうちの家にいるのよ!?
てか、テスト週間でしょ!?
「そんなとこで突っ立ってないで、さっさと着替えてこいよなー」
ヒデの反対側に座っているお兄ちゃんが二階を指差す。
私は素直に従って、ジャージに着替えてリビングに戻る。
いやいやいや……。
今までだってヒデが家に来ることなんていっぱいあったじゃん。
なんで今になって焦ってんだろう…。
「李亜もテスト週間でしょー?ヒデ君、頭良いから教えてもらいなさいよ」
お母さんが台所で料理をしながら私に言う。