意地っぱりなお姫様


「まじで!?あんな可愛い子振っちゃったんだーもったいねぇ」



お兄ちゃんは驚いたように目を丸くしている。


そんな可愛い子なんだ……。


ヒデの方を見ると、数学のワークを探している。



ヒデは学年でもモテる。

180cmもある長身に整った顔、見た目はちょっと恐い感じ。
なのにあの性格だから、女子はギャップってのにやられちゃうんだよねー。


でも、まさか年下からも狙われてるなんて!

彼女できるのも時間の問題かもしれない……。



「ヒデ、モテるのに彼女作らねぇよな……てか、もしかして好きな子とかいたりすんじゃねぇの?」



いきなりのお兄ちゃんの発言に驚く私。

何言ってんの!馬鹿兄貴!!
ほら!ヒデも驚いてるじゃん!!



「………アキ兄…勘弁して」



ヒデが凄い困ったようにお兄ちゃんに言う。

ヒデの方を見ると、耳まで真っ赤にして顔を手で押さえている。


お兄ちゃんは『悪かった、悪かった』って言ってゲラゲラ笑っている。


全く、反省の色なしだね。


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