君がいる、僕がいる
「あ、お疲れ様です」
隼人さんを見つけて
近づきながらいった。
隼人さんはあたしに気づくと
振り返ってニコッとした。
練習終わりだから
いつもきっちりセットされている
少し茶色の髪はいい感じに
崩れていた。
「有加、早いね。お疲れ」
そういいながら隼人さんは
あたしの髪をなでた。
その仕草にドキッとした。
あぁ、なんであたし
ドキドキしてるのかなぁ…?
別に好きとかじゃないのに…
いや、もしかして好きなのかな…?
「あの、なんで茜がアドレスきいたのに教えなかったんですか?」
こんなこと聞かないほうが
よかったかも…
「うーん、別に興味ないし興味ないメールあんまり返せないし」
夜空を見上げながら
隼人さんは続けた。
「それに、好きな人いるか」
ズキッ