不良狼は一途に溺愛中
「おっ!今日は、ここに居たのか〜!」
呑気な声が教室に響く。
中に入って来たのは、陸都と秀夜。
二人を見た途端、俺の口から溜め息が零れた。
俺と柚が二人きりの時間を思う存分に過ごせる、この校舎。
最近は、陸都たちがここに来ることは無かった。
気を遣ってくれてるのかと思っていたが、どうやら勘違いだったようだ。
「いつものことながら、二人はラブラブだね〜。」
陸都たちは傍までやって来て、ニコニコと嬉しそうな表情で俺たちを見つめる。
柚は恥ずかしいらしくて、離れたそうに体をモゾモゾ動かすけれど、俺は抱きしめ続けた。
「てめぇら、何しに来たんだよ。」
二人の表情を見ても、重要な用事があるわけじゃないのは明白だ。
俺の心にイライラが募る。