不良狼は一途に溺愛中
「…ああ、そうだよ。何か文句あるのか?」
「いえいえ。文句なんてあるわけないでしょ!」
ニンマリ笑うおふくろを睨みつけると、柚から“えぇっ!!”と驚く声が飛んできた。
「そ、そういう意味だったの!?たくさんの人がいるところが苦手だから、外出するのが嫌なんだと思ってた…。」
いやいや、違うって。
目を見開いてる柚に苦笑いしてしまった。
こういうところ、結構…鈍感なんだよな。
他の男たちが、どんな目で柚を見てるのか、彼女自身…気付いていない。
だからこそ、余計に気が気じゃないんだ…。
出来れば、男を惹きつける魅力がある…ということを柚には自覚してもらいたい。
まあ、それは無理な望みかもしれないが…。