不良狼は一途に溺愛中

「柚ちゃん、良かったわねっ!こうなったら、蓮に思いっきり甘えちゃって!」


「あっ、は…はい。」


どこまでもテンションが高いおふくろに、柚はアタフタしながら頷く。


恥ずかしそうに頬を染めながら俺の方に顔を向けると、フワッと優しい笑みを見せてくれた。


鼓動の音が、かなりうるさい。


親父やおふくろがいなければ、とっくに柚を押し倒していそうだ。


理性の糸が切れないように奮闘していると、おふくろが何かを閃いたかのように“あっ!”と軽快な声を発した。



「ねぇ、今度会う時は…みんなでお食事にでも行きましょうか!」


「は!?なんだよ、いきなり。」


「みんなで外食するのもいいかな…と思ったのよ!柚ちゃんのことを知るには今日だけじゃ足りないから!」


まあ、それはそうかもしれないが…。


俺はチラリとリビングの壁に掛けられているカレンダーに視線を移した。



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