不良狼は一途に溺愛中

「“今度”って、いつになるか分からねぇじゃん。」


今日、こうして会ったのだって約2年ぶりぐらいだ。


親父もおふくろも年々仕事が忙しくなってるみたいだから、なかなか休みもとれないだろう。


2年…なんてもんじゃないかもしれない。


もしかしたら、5年とか10年とか、かなり先の話になる可能性だって、十分ある。



「そうね〜、確かに近日ってわけにはいかないわね…。何年か先になっちゃうかも…。」


おふくろは、急に深刻そうな表情をして柚を見つめた。


「柚ちゃん…。」


「は、はい…。なんでしょうか…。」


「今度、会う時まで…蓮のこと、見捨てないであげてね…!」


「はあっ…!?」


柚が驚くよりも先に、俺の口から声が出てしまった。


深刻な顔で何を言いだすかと思えば、そこを念押しかよ!



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