不良狼は一途に溺愛中
その後も親父とおふくろのペースで時間が過ぎていき、気付けば辺りが暗くなり始めていた。
あまり遅くなると柚のご両親が心配するだろう、ということで、4人で話す時間はお開きに。
俺は家まで柚を送るべく、彼女と一緒に外へ出た。
「柚…。今日は、ありがとな。親父やおふくろのワガママのために、わざわざ来てくれて。すげぇ緊張させちまっただろ?」
「うん…。確かに緊張はしたけど、とても楽しい時間だったよ!蓮のお父さんもお母さんも明るくて優しくて、素敵な人だね!」
ニコッと微笑む柚に、俺の顔も綻ぶ。
急な予定だったし、柚にはかなり迷惑かけちまったけど、そんな風に言ってもらえて良かった…。
ホッと胸を撫で下ろしながら、柚のサラサラな髪をそっと梳いた。
「あ…、親父やおふくろが殆ど一方的に喋るような形になっちまって、ごめんな。」
「ううん、そんなことないよ。色んな話も出来て、とても充実した時間だったから…。」
ふふ、と可愛らしく笑ってくれる柚。
そんな表情を見つめながら、俺の頭の中には、さっきの親父の言葉が浮かんだ。