不良狼は一途に溺愛中
「そう言えば、親父のヤツ…いきなり“結婚”なんて言葉を口にしたりするから、ビックリしたよな…。」
「う、うん…。あの時は顔が一気に熱くなっちゃった…。」
「だよな。思わず声も重なっちまったし。」
「うん。それぐらい驚いたよね…。でも……」
恥ずかしそうに微笑んだ柚は、繋いでいた俺の手を少し強く握った。
「そうなっていたらいいなぁ…って、思ったよ。」
「えっ?」
「わ、私……蓮と…その…将来は結婚できたらいいな…って、思ってるから…。」
ドクンッ…。
彼女の小さな声が鼓膜を震わせる。
これでもかというほど、心臓が跳ね上がった。