不良狼は一途に溺愛中
「仕方ねぇだろ。俺を誘う柚が悪い。」
「えぇっ、誘う…って何が!?私は、蓮に自分の気持ちを伝えただけじゃない!誘ったりなんかしてないよ!」
フルフルと首を横に振る柚に笑った。
「相変わらず、そういうところは自覚がねぇんだな。」
「へ…?」
柚は、よく分からない…と言った表情で首を傾げた。
まあ、そんな柚も好きだからいいんだけど…
俺は、フワフワと疑問符を漂わせている彼女の額に、キスを落とす。
“きゃっ”と驚く彼女の耳元に、スッと顔を近付けた。
「頼むから、他の男には無防備なところ見せんなよ?俺だけにしとけ。」
俺だけでいい。
柚の可愛いところを独り占め出来る男は。
俺は、火が点いたかのように耳まで赤くなった柚の手を引いて、彼女の家へと再び歩き出すのだった。