不良狼は一途に溺愛中
「ありがと…。でも、柚に風邪うつしたくねぇから、お見舞いは…いいよ。ごめんな。」
柚の優しい気持ちに、申し訳なさを募らせながら答えた。
『うん、分かった…。なんか…こっちこそ逆に気遣ってもらって、ごめんね…。じゃあ…ゆっくり休んで、早く元気になってね!』
「おう。こんな風邪、さっさと治すよ。それじゃ、またな。」
名残惜しく感じながら柚との電話を切り、陸都と秀夜、続けて学校に連絡をした俺。
ひととおり終えると、ゴロンとベッドに横になった。
さてと、体もダルくてキツいことだし、ひたすら寝るか。
こういう時は…たっぷり休んで、体調を整えるしかないもんな。
早く柚に会うためにも、治すことに専念しねぇと。
俺は、心の中で気合いを入れながら、布団を肩が隠れるまでスッポリと被り、目を閉じた。