不良狼は一途に溺愛中

熱でダウンしていた数日間、柚は毎日…俺に電話をくれた。


会えないのは辛いものがあったけど、電話越しに声を聞くだけでも、かなり救われたと思う。


毎日、柚からの電話を楽しみにしていたからな…。


『そ、それじゃあ…明日から学校に来られるの?』


「ああ、もちろん。明日は…いつも通り、柚の家に迎えに行くからな。」


『うん。』


ふふ…と笑って、声を弾ませる柚。


あー、さっさと明日にならねぇかな。


心の中で、待ち遠しさを募らせていた時…。




『あっ、あの…蓮……』


「ん?」


何かを話そうとする柚に、耳を傾ける。


続きの言葉を待っていると…。


『えっと…。う、ううん…何でもない…。』


聞こえてきたのは、少し歯切れの悪い声だった。



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