不良狼は一途に溺愛中
もう一度、電話を掛けなおして聞いてみるか…。
画面に彼女の番号を出し、通話ボタンを押そうとしたけれど、寸前でその指を止めた。
いや、待てよ?
俺の方から電話してまで聞くなんて、ちょっとしつこいか…。
“激しい嫉妬や、しつこい態度は嫌われるわよ”って、この前…おふくろが帰り際に言ってたし。
「……………。」
電話するのは、止めておこう。
本当に何でもなかったのかもしれねぇもんな…。
柚の言うことを信じよう…。
あまり気にし過ぎるのも、よくねぇよな…。
俺は苦笑いしながら、携帯をベッドに放り投げた。