不良狼は一途に溺愛中
午後も平穏に過ぎていき、あっという間に迎えた放課後。
すぐに柚と一緒に帰ろうと思っていたけれど、担任から“休んでいた日の授業プリントを受け取りに来てくれ。”と言われ、渋々…職員室に行くことに。
柚には“即行で戻るから”と伝え、足早に教室を出た。
なんで、放課後にわざわざプリント渡すんだよ。
朝、持って来てくれればいいじゃねぇか…。
心の中で悪態をつきながら、担任のもとへ。
さっさとプリントを受け取り、職員室を出た。
よし、これで心おきなく帰れる…。
早く柚のところに戻るべく、走りだそうとした時だった。
「ちょっと、蓮っ!」
ん?
今のは…。
後ろから飛んできた聞き覚えのある声に、俺はゆっくりと振り向いた。