不良狼は一途に溺愛中
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「なんだよ、しつけぇな。」
鬱陶しく感じながら、腕を振りほどこうとすると、早崎は俺の目の前に携帯の画面を向けた。
「それなら、これ見てよ!証拠写真なんだから!」
嫌でも視界に入ってくる早崎の携帯画面。
つい見てしまった俺は、目を見開いてしまった。
写真に写ってるのは、どこかの店の前で立っている男と女。
男は後ろ姿で写っているから顔は見えないが、背は高く、スーツを着ている。
そして、その男に話し掛けているのか、横顔が写っている女…。
少し画像がボヤけているけれど、柚…に見えた。
「ほらね!これで信じてもらえたでしょ?」
「…………。」
「蓮が風邪で休んでた時、あの女はこういうことしてたんだから!」
俺は画像を無言でジッと見つめる。
柚が別の男と会ってた…?
本当に…?