不良狼は一途に溺愛中
フワッと緩く巻かれた髪。
グレーのチェック柄のミニスカートに白のニットパーカー。
私服姿の柚は、これまでに何度も見てきているが、やはり抱きしめたくなるぐらい可愛い。
だけど、こんなにドキッとするような恰好…危険すぎるだろ。
俺は、周りをキョロキョロと見回した後、柚に顔を近付けた。
「柚、俺がここに来る前に…誰かに声を掛けられたりしてないよな?」
「うん…。でも、どうして?」
不思議そうに首を傾げる柚に、俺は頭を掻きながら言葉を続ける。
「こんな可愛い女が一人で立ってたら、男は放っておかねぇから。ナンパにでもあってたんじゃないかと思ったんだよ…。」
本音を零すと、柚はフルフルと首を横に振った。
「そ、そんなことあるわけないでしょ!?蓮ってば、考え過ぎだよ…。」
いや、十分あり得るって。
いつものことながら、彼女の無防備っぷりに苦笑してしまった。