不良狼は一途に溺愛中
呼んでもらえたのは嬉しいけど、もっと大きな声で聞きてぇな…。
俺は柚を引き寄せたまま、彼女の髪を優しく梳いた。
「もう一度、今より大きな声で呼んでくれたら、離してやる。」
「い、今より!?」
柚の頬が赤く染まる。
緊張しているのか、唇が微かに震えているのが分かった。
「れ、蓮っ…!」
今後はハッキリ聞こえた俺の名前。
柚の透き通るような可愛らしい声に、鼓動が速くなっていく。
嬉しくて、たまらず彼女の唇にキスを落とした。
「な、なんだか…すごく照れちゃった…。でも、これからは…慣れるようにするね…。」
リンゴのように真っ赤になっている柚。
はにかむ姿に、俺も頬が熱くなってしまった。
マジ、可愛い過ぎだ。
柔らかい笑顔に癒されながら、俺は授業が始まるギリギリまで、彼女を抱きしめていた。