不良狼は一途に溺愛中
「そ、そろそろお料理食べよ?せっかく用意してもらったのに、冷めちゃうし…。」
「ああ、そうだな…。」
目の前に並べられたオードブルやケーキに視線を移した。
「ケーキ、甘さ控えめに作ったつもりなんだけど、もしも蓮の口に合わなかったらゴメンね…。」
「…………。」
え…?
それって…。
「このケーキ、柚が作ったのか…?」
ケーキを指差すと、柚はコクンと小さく頷いた。
「オードブルは店長さんに頼んだんだけど、ケーキは手作りしたいな…って思って、今日の朝…作ったの。本当は蓮が好きなマフィンにしようかとも思ったんだけど、やっぱり誕生日はケーキかな…って。」
「このケーキ、いつここに持って来たんだよ。」
「待ち合わせ場所に行く前に、ここに寄ったの。それで、しばらく置かせてもらってたんだ…。」
そうだったのか…。
何から何まで、嬉しいサプライズ尽くしだな…。
「さあ、食べよ?あっ、料理…お皿にとるね…!」
俺の取り皿に手を伸ばす柚。
俺は、その手を掴んで傍に引き寄せると、そっと唇を重ねた。