不良狼は一途に溺愛中

「れ、蓮ってば…キス長いよっ…。苦しかったじゃないっ…!」


「悪い。柚が可愛く反応するから止められなかった。」


まあ、実際のところ…悪いなんて、これっぽっちも思ってねぇけど。


瞳を潤ませながら怒っている柚に、フッと笑みが零れてしまった。


「じゃあ、料理…食べるか。」


「う、うん…。」


息を整えながら頷く柚。


俺は彼女を抱きしめると、耳元に唇を近付けた。


「ここでの時間を過ごした後は、俺の家に連れて帰る。」


「えっ…?」


「明日は俺の誕生日なんだから、今夜は柚を帰さねぇ…。っていうか、朝まで寝かさねぇから、覚悟しとけよ?」


「えっ、あ…あの……」


体を離すと、慌てた表情を浮かべる柚が映る。


そんな彼女の唇を、指でスッとなぞった。



< 203 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop