不良狼は一途に溺愛中
「で、でもテストが…」
「学校がダメなら、俺の家に来い。」
「えっ?」
「俺の家で勉強すればいいじゃねぇか。家の方がはかどるんだろ?」
「………えぇっ!?」
大きな声が屋上に響く。
柚はフルフルと左右に首を振った。
「ち、違うの!家っていうのは私の家のことで、蓮の家じゃないよ…。」
そんなの、分かってるって。
ソワソワしながら説明する柚にフッと笑った。
少し意地悪な言い方だったかもしれないが、今の言葉は至って本気だ。
俺の家なら、柚が勉強をしていても彼女の傍に居られる。
会えないよりも、ずっといい。
我ながら名案だ。