不良狼は一途に溺愛中

ちょ、ちょっと待て!


そんな表情されたら、理性が保たねぇよ…。


柚にとっては無意識の仕草なんだろうけど、俺からすれば…誘ってるようにしか見えない。


襲って下さいと言ってるようなものだ。


「…………。」


眠たそうな柚を見つめる。


肩を抱いている手に力が入った。


でも、我慢だ我慢。


こんな状況で襲ったりしたら、柚が明日から俺の家に来てくれなくなる可能性だってある。


それは絶対に避けたい。


必死に理性を働かせながら、柚の頭を撫でた。


「柚、眠いならベッドに行くか?」


「え?」


「俺の部屋のベッド。その方がゆっくり寝られるだろ?」


そう言うと、柚はフルフルと小さく首を振りながら目を軽く擦った。



< 29 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop