不良狼は一途に溺愛中
ちょ、ちょっと待て!
そんな表情されたら、理性が保たねぇよ…。
柚にとっては無意識の仕草なんだろうけど、俺からすれば…誘ってるようにしか見えない。
襲って下さいと言ってるようなものだ。
「…………。」
眠たそうな柚を見つめる。
肩を抱いている手に力が入った。
でも、我慢だ我慢。
こんな状況で襲ったりしたら、柚が明日から俺の家に来てくれなくなる可能性だってある。
それは絶対に避けたい。
必死に理性を働かせながら、柚の頭を撫でた。
「柚、眠いならベッドに行くか?」
「え?」
「俺の部屋のベッド。その方がゆっくり寝られるだろ?」
そう言うと、柚はフルフルと小さく首を振りながら目を軽く擦った。