不良狼は一途に溺愛中
そして、翌日。
“やっぱり自分の家でテスト勉強するね…”と言う柚を、半ば強引に俺の家まで連れてきた。
言いたくはなかったが、“絶対に何もしない”と約束を交わす。
それを聞いた柚は、ホッとした表情を浮かべていた。
「はぁ…。」
キッチンで柚への差し入れにとコップにジュースを注ぎながら、ため息が零れた。
今日は早速、空いている部屋で試験勉強に取り組み始めた柚。
昨日のような甘ったるい時間は一切ないまま、淡々と時間だけが過ぎていくのは正直キツい。
まあ、柚が同じ家の中に居るだけでもいいと思わないとな。
会えないのは、もっと辛いものがあるし。
そう自分に言い聞かせて、柚のいる部屋に向かった。