不良狼は一途に溺愛中

そして、翌日。


“やっぱり自分の家でテスト勉強するね…”と言う柚を、半ば強引に俺の家まで連れてきた。


言いたくはなかったが、“絶対に何もしない”と約束を交わす。


それを聞いた柚は、ホッとした表情を浮かべていた。


「はぁ…。」


キッチンで柚への差し入れにとコップにジュースを注ぎながら、ため息が零れた。


今日は早速、空いている部屋で試験勉強に取り組み始めた柚。


昨日のような甘ったるい時間は一切ないまま、淡々と時間だけが過ぎていくのは正直キツい。


まあ、柚が同じ家の中に居るだけでもいいと思わないとな。


会えないのは、もっと辛いものがあるし。


そう自分に言い聞かせて、柚のいる部屋に向かった。


< 31 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop